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常識を覆す抽出に1時間 伝説のコーヒー仙人の店に行ってきた!
こんにちは。
総務部のUです。
読売新聞に大きく取り上げられていた記事に目が留まった。
一般的なコーヒーは15gの豆から150㏄~200㏄で、濃厚なエスプレッソでも25gで30㏄を抽出する。
ここではエスプレッソの5倍以上の150gの豆を使い、1時間かけておちょこ1杯分の超濃厚でとろみがあり、苦みの中に高級な玉露茶の味わいにもある甘みを抽出している。
お湯を注いで布フィルターから最初の1滴が落ちるのに30分以上かかる規格外の製法である。
ここでは、ワインのように20年以上熟成させた1杯11万円の珈琲が飲めるらしい。
あまりに高額なので、スプーン1杯2,000円で試飲提供している。
場所は大阪の八尾にあり、創業40年以上になる。
1980年代の創業時には周辺は畑だったらしいが、現在はのどかな住宅街で、他に商店もなく閑静な中にポツンと店がある。
マスターはバイク好きで、世界に数台しかないドイツ製のミュンヒというバイクを展示するために始めた喫茶店らしい。
これが、店名になっている。
昼過ぎに店に入ったときは、他に来客はなく、マスターが丁寧に説明をしてくれた。
初めてだというと名刺とステッカーを頂いた。
今は、コーヒーのみの専門店になっており、食べ物はチーズケーキのみ。
1時間かけて抽出実演する超デミタスコーヒーは4,500円。
10日前に抽出を終え氷冷熟成させたものは1,500円で早く提供できる。
通常高温で入れるドリップコーヒーは時間が立つと酸化して味が落ちていくが、こちらのコーヒーは低温で長時間かけて抽出するので、酸化しにくいのものが出来上がる。
そのため時間を経て熟成させたものが味わえるらしい。
せっかくなので、1時間抽出実演ものとそれを待つ間に氷冷熟成させたものの両方を頂くことにした。
説明の途中で次々とお客さんが入ってきた。
日本でここでしか味わえないコーヒーなので、午前中も千葉など全国遠方から来店されていたらしい。
マスターは来店した人に次々と気さくに説明していた。
いよいよ抽出開始!
このボールに入った150gの豆を挽いて、一人分の濃厚なコーヒーを抽出することになる。
これでもかとフィルターにいっぱいに敷き詰められた粉に、マスターが何度も分けてお湯を注いでいき、あの小さなカップに最初の1杯を抽出するのだ。
抽出を待ちながら、今年の新聞に掲載された時より髪型がさっぱり短髪になっているのを聞くと、静岡から毎週通ってくる若い女性の美容師さんが店内でカットサービスしてくれたらしい。
全国にファンがいて愛されているようだ。
海外からもアラブの王族が以前来店したことがあるらしい。
抽出を待つ間に1,500円の氷温熟成コーヒーを味わう。
普段はSシングル20㏄のところ、初来店ということでWダブル40㏄の倍量でサービスしてくれた。
低温ぬるめでとろみがあり濃厚で凝縮されたコクと苦みがあるストロングコーヒーである。
途中で濃厚なクリームを入れてもらいシルクロードといわれている店の人気メニューに味変してもらった。
器は350年前の江戸時代作の古伊万里焼らしい。
お冷はバカラ10万円のグラスでの提供。
高級品で馴染みがなく、私には猫に小判である。
40分ほどして最初の1滴がようやく落ち始めた。
ここからこの小さなカップに入るのに20分くらいかかる。
1時間ほどで40℃前後の低温珈琲が抽出された。
この最初の1杯に甘みが含まれる。
お茶と同じで2煎目以降は苦みが強くなる。
豆の量が多いのでまだ抽出できるため、続いて2杯目を少し大きめのカップに抽出頂いた。
1杯目は濃厚で甘みがあったが、自然のコーヒー自体の甘味以外は砂糖を入れないので、さすがに最後1杯にはストロングコーヒーに合わせ甘みを求めて、濃厚チーズケーキを注文した。
本日の会計7,000円を支払い、店を跡にした。
隣の学生らしいお客さんは、このあとも新たに別メニューを追加オーダーしていた。
マスターは御年80歳。
あと20年は続けたいとおっしゃっていた。
どうぞお元気で全国のコーヒー愛好家のためにご活躍下さい。