その他

灯り

灯り

こんにちは。

設計積算部のKです。

 

2月28日、大阪では二度目の緊急事態宣言が解除されました。

当社でも多くの方が、この状況への関心はもちろん、最善の感染対策への対応に多くの時間と労力を割いています。

今の現状は本当に起こっているのか?

映画の世界なのか?

現実と信じたくないという思いから、逃避したくもなります。

 

緊急事態宣言発令前にあたる昨年の3月初めに、市内の様子を車窓から眺めたことがありました。

天保山周辺では3/2~3/15の間、海遊館をはじめ周辺の多くの店舗は閉まっており、散歩などの人影がある程度で観光地とは思えない様相です。

近くに、昔食事をしたホテルがあったことを思い出し、現状はどうか?と、興味本位ですが覗いてみることにしました。

 

ホテルの敷地に入り車路を上って車寄せまで来ましたが、あたりに停まっている車の姿が見当たりません。

エントランスに灯りは点いているものの、気配のないその雰囲気に不気味さを感じながらも入ってみることにしました。

 

2階にあるフロントへはエスカレーターで上がって行きますが、未だ人の気配はありません。

無人のエスカレーターでフロントロビーに着き、カウンターの中にスタッフの姿が2名いることで、そのホテルが開いていることを確認できました。

 

フロントロビー横には海に向かってレストランがあります。

以前に利用した際の記憶が少し蘇りました。

しかし人影のない様子に、かつての賑わいとは真逆の風景に、現実かどうか疑わしくなってきました。

奥からスタッフの方が現れ、「食事あります。」と、案内されます。

ランチのメニューは、数種類の定食に限り用意されているようで、余裕の無さを感じました。

海の望むレストランには、120名程の席は用意されてはいますが、私たち以外には誰もいません。

海を望む窓辺の席に座り、白日夢?なのか。

不思議な時間が流れていきます。

結局、その日は後にも先にも訪れた人は私たち以外にありませんでした。

 

その後、何度か訪れています。

賑わいが戻っている希望も持ちながらも、そこは現実とは思えない誰もいないレストランのままです。

そこへ向かうエスカレーターも利用停止になっています。

ランチの営業時間は30分短くなっています。

 

灯が少しづつ小さくなっていくようです。

誰もいないのが当たり前の風景からもう引き返せないのでしょうか?

かつての大勢が賑わう海を望むレストランには、インバウンドで訪れた訪日外国人はおろか、日本人の姿もありません。

多くの外国から愛されて賑わう日本は、訪日外国人を4000万人と目標にあげた2020年はその1/10に届かない誰もが予想しない結果です。

数か月前には思いもしなかった事が現実に起こり、世の中が一変しました。

 

今も私はテレワーク中です。

同僚との会話は少なく、昼食もそこそこに部屋に籠ります。

自分しかいない部屋で一日を過ごします。

白日夢なのか?

誰もいないレストランと同じ、灯りが消えないように自分にできる事は何でしょうか?

 

昨日までのことが今日できるとは保証されないことは明らかになりました。

今日という日は二度と来ない日です。

悔いの無い一日になるために、自分から行動を起こさなくてはなりません。