社長ブログ
見えないものの力
国民詩人と言われる坂村真民に次のような詩があります。
一本の木をみつめていると
坂村真民
一本の木を見つめていると
神や仏というものが
よくわかってくる
見えないところで
その幹を
その葉を
その花を
その実を
作っていってくれる
根の働きは
見えないところで
私たちを養って下さっている
神とひとしく
仏と同じである
見えないものを見る目を持とう
見えないものを知る心を持とう
樹木の根は、地上に出ている幹や枝葉の広がり以上に地中に大きく拡がって、その樹木を支えると同時に、水分や養分を地中から吸い上げ樹木を育てているのです。
しかし、それだけの大きな働きも、我々の眼には見えないのです。
これは会社の経営においても同じことです。
目に見える企業活動だけがすべてではありません。
その活動を支え育てる礎となるものが必ずあるのです。
私はそれが企業理念であり、企業風土だと考えて森長工務店の経営に携わってきました。
理念や風土を育むのは、一見無駄にも遠回りにも見えます。
しかし、いたずらに枝葉を上へ上へと伸ばすだけでは、企業は脆弱になってしまう。
激しい風雨に曝されると、耐えきれなくなってしまう。
そう考えて理念や風土をつくることに私のエネルギーの多くを費やしてきました。
そして、それは間違いではなかったと思っています。
これは個人の成長においても同じことが言えると思います。
知識やテクニックを習得することもたいへん重要なことですが、それだけでは限界が出てきます。
仕事は一人でするのではありませんから、周りの人たちの協力を得なければ、本当に困難な仕事はできません。
その時に必要なものは、多くの人の共感を集めうる人格であろうと思います。
これも目に見えませんが、木の根と同様に、全体を支え育てるものです。
当社の基本理念に「おかげさま」と「お互いさま」を掲げているのは、人の根を育みたいからなのです。
森長工務店が社員のみなさんの人格を高める場であればと念じています。