社長ブログ

仕事の目的・意味

仕事の目的・意味

経営学の父といわれるドラッカーの著書「マネジメント」に『三人の石工』の話が出てきます。

次のような話です。

 

三人の石工がいました。通りがかった旅人が石工に尋ねました。

「君の仕事の目的は何かね」

一人目の石工は、「金を稼ぐためさ」と答えました。

二人目の石工は、「技術を発揮するためさ」と答えました。

三人目の石工は、「町の人たちの心の拠り所となる教会を建てるためさ」と答えました。

 

ドラッカーはこの挿話をもとに、マネジメントの本質について語っています。

もちろん三人目の石工が、自分の仕事の目的や意味をもっとも深いところで捉えているわけですが、それこそがマネジメントにとって、最も必要なことだとドラッカーは説いているのです。

 

仕事の一つ一つは、単調であり苦しい作業の連続だといってよいでしょう。

目的・意味が見出せなければ、放り出してしまいたくなってもおかしくありません。

そんな仕事の困難や苦労を乗り越えさせるのは、その仕事の目的・意味の他にはありません。

 

マネジメントというと、経営の方法論であり、テクニックだと思っている人が多いかもしれませんが、この挿話を引用してドラッカーが言いたかったことは、マネジメントは仕事の目的・意味を深めることで、主体的に仕事に取り組んで人生を充実し楽しくすることであり、その結果として成果が上がるということだと思います。

換言すれば、仕事の目的・意味を仕事の世界だけにとどめるのではなく、自らの人生に照らして目的・意味を捉えることができれば、マネジメントのベースは揺るぎないものになるということでしょう。

 

仕事の種類が深さを決めるのではなく、同じ仕事をやっていても、そこにどれだけの目的・意味を見出すことができるかが問題なのです。

そして、人間どうせ生きるのであれば、浅い人生ではなく、目的・意味を掘り下げた深い人生を生きたいものだと改めて思います。