社長ブログ
明確なイメージを持つ
当社に経営品質プログラムをご指導いただいたYさんが、先日当社に来られました。
役員室に掛かっている新進気鋭の書家、金沢翔子さんの書に目を留められ、その話題になりました。
Yさんは六十三才で書を始めて、今年七十才である展覧会で入選されたそうです。
その書の写真も見せていただきましたが、始めて七年目の方のものとは到底思えない出来栄えでした。
私も年賀状に下手な字を書くことがあるので、書の難しさも少しは分かるつもりですが、Yさんが書いた書はそんな私には及びもつかぬものだったのです。
そこで、Yさんに「書で大事なことは何ですか」と訊ねました。
返ってきた答は、「どんな字を書くのかをイメージすること」だったのです。
筆を運ぶ技術の巧拙もさることながら、それ以上に自分が書きたい字のイメージが、より大事だということなのです。
筆を持った時、書き手に迷いがあると、字にそれがそのまま出てしまいます。
そんな迷いの余地がないほど明確なイメージを持って、それに向かって筆を運ばなければ、決して良い字にはならないというのです。
仕事や人生も全くこれと同じではないでしょうか。
どんな仕事をしたいのか、どんな人生を送りたいのか、そのイメージがぼんやりしていると、事が起きる度に迷いが出る。
その時々の損得や事の難易に振り回されて、目指す方向に進んでいけないのです。
誰でも心の底には斯く在りたいというものは持っているものです。
しかし、往々にしてそれを明確にするという努力を怠っているのです。
良い字を書くために明確なイメージが必要なように、良い仕事をするためにも、良い人生を送るためにも、明確なイメージを創ることがもっとも大事なことなのです。
当社における様々な取組みはすべて、社員みんなが仕事や人生に明確なイメージを持つためにやっているといっても過言ではありません。
さて、早くも年が暮れようとしています。
来年もよろしくお願いいたします。